学生時代、大変お世話になった教授からのお誘いで、東京芸術大学で行われる大イベントに行きました。
参照:アントニオ・ネグリ未来日 | ネグリさんとデングリ対話
しかし実際は、入国3日前になって外務省によってアントニオ・ネグリ氏の入国が拒否されてしまったため、デングリ対話とはなりませんでした(共同声明)。
入国拒否については、主催者側のミスも指摘されておりますが、知識人の来日が政府の都合でコントロールされてしまうことこそ、指摘され、認識される必要があったように思います。
法務省入国在留課は取材に「個別案件には回答しない」としたが、同省幹部の一人は「こちらは査証を出さないとは言っていない。ただ、経歴が上陸拒否事由になるかもれないので空港でトラブルになるかもしれないのも困るだろうと判断し、資料の提供を求めた」と話した。
今回の問題ではなぜ、ルベル氏にまで査証を求めたのか、といった疑問も残っている。政府の対応について、富山大の小倉利丸教授(現代資本主義論)は「政治 犯であることを証明しろ」という要求には無理がある。日本でもデモの逮捕者は刑法犯扱い。先進国では、政治犯がいないのが建前だ」と疑問を挟み、こう指摘 する。
「各大学での予定が詰まっていたネグり氏が罪を犯す恐れはないに等しい。法の運用面では許容範囲ではなかったのか。これでは、反体制の知識人は来日できなくなってしまう」
参考:真相は「知らなかった?」が本当の理由!?(2008.3.27 中日新聞) - みどりの一期一会 -
(ネグリ氏との響宴ならず・・・)
マイケル・ハートとの共著『<帝国>』について、興味深い記事を見つけました。
ア ントニオ・ネグリはイタリアで「赤い旅団」に関係したというかどで有罪判決を受けて、フランスに逃げていくわけですが、彼を匿って世話をしたのがガタリで す。非常にガタリとネグリは仲が良かったわけです。そのネグリが2000年に『〈帝国〉』という本を出しまして、一部では大変話題になりました。
ネグリの〈帝国〉という概念そのものは、今やこれからの世界では国境がなくなって、ひとつのエンパイアが出来てくるであろう、そのエンパイアというものは、やがてまたマルティチュード(大衆とか群衆とかと訳されますが)によって倒されるであろうという考え方です。
今までのイギリスの帝国主義、フランスの帝国主義というのはひとつの実体論でした。そうした帝国主義国家、国民国家の国境がなくなって、相互に国境を越境 (border crossing)していく。そういう事態そのものに関係主義が実践されているとも言えます。これを理念として表したものがネグリとハートの〈帝国〉、エ ンパイアという概念です。
出典:5・22廣松渉没後10周年記念講演 宇波 彰(2004年6月15日)ーアクティオ・ネットワークー
今の世界の状況は、今まで成り立たせていた文明や主義が崩壊しているのでしょう。
(未曾有の恐慌は、まさに次の文明に移行するための大きな胎動のよう)
ネグリ氏の言うことが正しければ、この先に、どのようなエンパイアが出て、マルチチュードによって倒された後の世界は、どのような世界となっているのでしょうか。
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