震災、火山、風水害、大規模災害(船舶、鉄道、飛行機及び、NBC災害※等)、そして原子力災害時に、自治体が災害対応します。
※NBC災害は、核兵器(Nuclear)、生物兵器(Biological)、化学兵器(Chemical)の特殊災害と位置づけられています。
災害対策基本法 第一章 総則
(目的)
第 一条 この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立 し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定め ることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もつて社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。
出典:災害対策基本法(法令データ提供システム)
日本には55基の原子力発電所が存在しております(2006年12月末現在)。
原発震災についての危険性は何度も指摘されておりますので、もし起こってしまった時の対応として、放射性ヨウ素が大気中に漏れた場合の対応を記したいと思います。
参考:シミュレーション 「浜岡2号機がメルトダウン」
特に東海・関東地方の方は周知の通り、東海地震発生の指摘がなされています。
上記参考のリンクは「ストップ浜岡原発」サイト内にあるものですが、浜岡原発倒壊時には首都圏に放射能が舞うことが想定されています。
健康被害として、放射性ヨウ素が漏れ出すことにより、甲状腺の内部被ばく等の影響が考えられます。
2004年(平成16年)10月に起きた中越地震では、柏崎刈羽原発からの放射能漏れがされたこともありましたので、安定ヨウ素剤について、地域の行政(防災課)に問い合わせました。返答は以下の内容でした。
まず、原発による原子力等放射性物質事故の想定でございますが、「地域防災計画(大規模事故編)」において、重点的に防災対策を実施する地域を施設から最大でも10km以内としておりまして、県内への直接的な影響はないと考えられるとしております。
・・・中略・・・
事故によって直接的に影響を受けるような想定をしておりませんので、災害用の備蓄としての安定ヨウ素剤は保管しておりません。
続 けて、"もしもの場合"の場合には、計画書に基づき災害対策を行うと、説明いただいたのですが、それでは到底間に合いません(すでに、安全神話は崩壊して いるのではないでしょうか)。10km以上離れているとはいえ、災害対策基本法の目的から逸脱しているとさえ思えます。チェルノブイリでは、どのくらい地域が汚染されたのか、ご存じないのでしょうか。
甲状腺は、ヨウ素を取り込み蓄積するという機能がありますので、原発の臨界事故があった場合には、下記の通り早急の服用で防ぐことが可能です。
100mgのヨウ素材を服用した際の放射性ヨウ素の阻止率:
服用が12時間前 | 90% |
服用が直前 | 97% |
服用が1時間後 | 85% |
服用が3時間後 | 50% |
ヨウ素を服用する理由としては、下記の指摘がなされているためです。
・(臨界事故の際)放出される割合の最も高い放射性物質
・気化して大気中に広範囲に拡散しやすい
・呼吸や飲食により体内に吸収されやすい
放射性ヨウ素の半減期は8日なので、服用期間の目安となるでしょう。参考にあるREMnetに詳細な記述がありますので、ご参考に。
下記は、REMnetから頂いた専門家の見解です。
原子力災害などで大気中に放射性ヨウ素が漏れ出し、甲状腺への放射性ヨウ素の内部取り込みが予想された場合に限り、それを軽減阻止する為に最低30mg以上のヨウ素が事前に必要とされます。
・・・中略・・・
一回のヨウ素剤大量服用(50mgや100mgヨウ化カリ相当)で甲状腺はヨウ素飽和状態となり、その後数日間は放射線ヨウ素の甲状腺内への取り込みを阻止できます。副作用も少ないと考えられます。
・・・中略・・・
薬は同時に毒であることも理解して頂き、正しい指示に従い必要なときにヨウ素剤を摂取するという考えで良いかと思います。特に第一に守られるべき、乳幼児から小中学生に関しては、正しい指示の下で大量のヨウ素剤の単回服用が必要と判断されています。
ヨウ素剤の服用は、40歳未満が対象です。甲状腺細胞が活発な新生児、乳幼児や妊婦の服用を優先とのこと。
また、通常のワカメや昆布、サプリメントのカプセルなどでは体内での吸収が遅く、また大量の摂取が必要となり非効果的ですので、注意が必要です。
参考:
・安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル - REMnet
・原子力事故時のヨウ素剤の服用
・第63号・放射性ヨウ素とヨウ素剤投与
・他、原発関連の本
関連:
・東海村JCO臨界事故
・チェルノブイリ原子力発電所事故
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